2008-01-01から1年間の記事一覧

追記

デジタルがいいとか悪とかという話だと思われると少し困るので追記。まあ文章なんて人それぞれに読まれるものだから構わないのだけれど。で、骨子は最後の行。 というよりも、デジタルがいい悪いという時の、思想的な話。基本的なことだけれど、ここを抑えな…

音と「音」と

レコードはアナログ方式によって音を記録していたが、CDはデジタル方式によって音を記録する。世の音楽マニアたちにとって、これは大きな変化だった。それは記録方法の違いがもたらした結果だし、その結果は主観的にも客観的にも違うことを意味している。 レ…

10月中旬頃の円山公園

鉄欠乏性貧血と嚥下障害

食道ウェブ(プランマー‐ヴィンソン症候群、鉄欠乏性嚥下困難)とは、食道上部3分の1の内側表層(粘膜)にできる薄い膜です。 食道ウェブはまれにしか起こりませんが、最もよくみられるのは重度の鉄欠乏性貧血が放置されていた人です。貧血がどのようにウェ…

道具

「道具自体は悪ではなく、使う人が悪なのだ」。 問題意識自体が間違っていると思う。たとえばある道具を使って犯罪が起きたとすると、もちろんその道具を使った人間が悪いことはその通りだとしても、ではどのようにしてそれを抑止するのか。道徳・倫理という…

参ったなあ

ダイアリー 感動したので全文引用。ごめんなさい。 疲れて電車に乗ると、眠っている人が皆、犬みたいに見えます。私も眠りますが、私は猫の方が好きなので、猫のように眠っているつもりでいます。ミニブタを飼っている人はきっとそのように眠るのでしょう。…

微妙な失語症

補足というか。 脳梗塞など脳機能の障害が,一時的または持続的に言語の混乱を引き起こすことがある。俗に失語症として知られるものだ。(中略)言語の四要素(読書聴話)のうち特定のものにのみ発現する例もある。聞き取れるが発話できない,会話は可能だが…

追記

よくウェブで、精神的なショック状態から「失語症」になったという体験談を見かけるのだけれど、上記定義をふまえれば、それは失語症ではないことは自明である。この場合、失声か緘黙などが考えられる。 また、評論家が作品を非難する際、行間で表現しようと…

スカイ・クロラ

paiste じつは、3週間くらい前にポニョを二回観た後スカイ・クロラも観たけれど、感想は書かなった。理由は、私にはピンと来るものがなかったから。 私には、押井監督がすでに持っている手札で遊んでいるようにしか見えなかった。むろん、技術的な新しさや意…

追記2

id:paisteさんとは随分前から親しくウェブでおしゃべりしているから、まあ、こういうやりとりは例外に属するのだけれど、私は捨ててもいいものについては言及しないようにしている。逆を言えば、あえて言及しているからには捨てられない理由を見いだしている…

追記1

ポニョはやっぱり破壊とかそういうものですか。何だかそういうもののような気はぼんやりとしたのですが、詳しくないのでよくわかりませんでした。ポニョが破壊したものがあるとすれば、対象は現状のアニメーション技術と人間中心主義、あるいは論理的思考と…

書かない批評

書く批評はあらゆる表現の重荷を背負いながらも、読者なり作者なり、あるいは世間に対してアピール可能だが、いっぽう、書かない批評はアピールそのものの難しさをはらみながらも、その存在は確固としてありつづける。むしろ書かないことは書くことよりもず…

スイミング・プール

フランソワ・オゾン監督の『スイミング・プール』は『8人の女たち』の翌年に公開されている。主演はおなじみのシャーロット・ランプリング(サラ)とリュディヴィーヌ・サニエ(ジュリー)。物語は推理作家サラが編集者ジョンの事務所へ赴くところから始まる…

冗談としての世代論

私もわりと世代論は好きだが、ほとんど冗談のようなものだと思っている。ときに冗談は、本質に近いこともある。だからこの手の冗談は冗談と断った上でやると有益だと考えている。 増田で83年生まれはもっと怒れというエントリがある(わざわざリンクしないが…

『ぐるりのこと。』

カナオ(リリー・フランキー)は頼りなく生活力に乏しい夫で、片方翔子(木村多江)は夜の夫婦の営みすら日を決めカレンダーで印をつけるほど几帳面な妻である。冒頭、カナオが家に帰ると翔子との痴話喧嘩が始まる。そこはかなりの長回しで撮られていて、出…

断片

悪口というのは芸がなければ面白くない。芸のある悪口は感動する。たとえ自分にむけられても。悪口はつかいよう。 解釈をせずにありのままに受け止めよ、と、「芸術家」も「先生」も、今まで散々言い続けてきた。ありのままに受け止めることの不可能について…

断片

キリスト教と宗教と生き方の話。 闇黒日記平成二十年六月一日 詩篇とか - finalventの日記 日記的 - finalventの日記コメント欄もあわせて。 私も、なのでなんともコメントがしづらいけれど、こういう場合の「日本人は」という言葉には敏感であるべきだと思…

断片

うちのこの文書*1の名前を、いいかげんわざとらしいスノッブ風のフランス語*2から日本語になおしたい。けれども、いい名前が思い浮かばない。なぜアルファベットがよかったかというと、単純にアンチエイリアスがききやすいから*3です。つまり、見た目の問題…

思想と芸術についての考え

山口瞳をどうしても好きになれなかったのは、彼の創作物を理解しようとしなかったからだ。しかし、私はさいきんになって、ようやく山口瞳のよさがわかってきた。礼儀作法入門 (新潮文庫)は山口のロングセラーだが、小説家がエセーのたぐいでこうなるのは、私…

胡同の理髪師

とてもいい映画を観た。哈斯朝魯(ハスチョロー)監督作品『胡同の理髪師』である。 2008年におこなわれる北京オリンピックのしわよせは、1964年に開催された東京オリンピック同様、急激な都市開発というかたちであらわれてきた。北京旧城内の一角(胡同)に…

文庫本を狙え!

坪内祐三さんの『文庫本を狙え!』(晶文社)を読んだ。書評の妙を存分にあじわえる作品だとおもう。 書評に限らず、批評というのは、作者なり読者なりの「痛い」ところをつかなければ、たんにAmazonのレビューにとどまる。しかもそれは、ただの批判を指すの…

アイム・ノット・ゼア

いくつか映画を観たのだけれど、記録をとってないからなにを観たか忘れてしまった。だからあれほど(以下省略)。 そのなかでいちばん最近に観たのがトッド・ヘインズ監督作品『アイム・ノット・ゼア』。ボブ・ディランを6人の俳優が様々な角度から捉えてい…

道徳の問題

解かりやすい真実よりも、解かりにくい真実の方が多い - 黎明日記 大体、ある理屈が目の前にあるとして、それが正しいのかどうかさえ、簡単に判断することはできない。正しいか正しくないかが簡単にわかるのなら、議論も、証明も、裁判も、デバッグも必要な…

余談

みんな大好きなファッション談義 - 黎明日記 「ファシズムを拒絶できるファッション」とは ファッションについて考えていることを教えてください - 教えて!goo ”ファッション”の語源をたどると、古代ローマ、ラテン語のFASCESに辿りつくと言われていますが…

追記

お久しぶりなんですが、お返事をもらいました。ありがとうございます。 お返事 - 黎明日記 つまり、「貴重な資源を無駄遣いするのは間違っている」というより一般的な主張を焼直しただけです。 とりあえずこの考えを受け入れるならば、今度は「理解する必要…

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生

映画『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』において問題となったのは、写真が瞬間を切り取るものであるとするならば、映画はなにを映すものなのかということだとおもう。 アニー・リーボヴィッツが、スーザン・ソンタグの最期を撮った写真。彼女…

断片

平等な人間関係とか、Win-Winとか、どれも理性(ここでいう意味は一般的な意味)の次元の話でしかない。恋愛にしてもなんにしても、無意識における支配/被支配の関係に気づけなければ、大事なものを見落とす。むろん、性差におけるそれは知らない。 「あなた…

断片

風邪を引いてしまった。朝起きてコーヒーを飲んでいても、コーヒーの味がしっくりこない。風邪薬を飲んだら昼間に眠気が襲って参った。口の中は口内炎ができて、鼻水、咳がとまらない。しかし食欲はある。朝:おにぎり、昼:豚キムチ丼、夜:おにぎりとサラダと…

いのちの食べかた

昨日は、ニコラウス・ゲイハルター監督の『いのちの食べかた』を観ながら、近現代の哲学にについて思い浮かべることになった。それも、あまりにも単純かもしれないが、テクノロジーについてである。 映像が美しい。たとえばビニールハウスを丘の上から眺めた…

断片

osakana blog - 日本の子供たちからインターネットが消える日を読んだ。ポイントは政府が馬鹿なことをしているから政治的に騒ごう、ということではないと思う。重要なのは、「フィルタリングソフトウェアを使わなくても問題なく情報社会で生きていけるような…