アイム・ノット・ゼア

nombre2008-05-08

  • いくつか映画を観たのだけれど、記録をとってないからなにを観たか忘れてしまった。だからあれほど(以下省略)。
  • そのなかでいちばん最近に観たのがトッド・ヘインズ監督作品『アイム・ノット・ゼア』。ボブ・ディランを6人の俳優が様々な角度から捉えていこうとする。ディランその人が複雑な経歴、作歴、多面性をもっているためだが、それゆえに、ディランを知らない観客は混乱のままに終わる可能性が高い。しかし、6人の俳優はなかなかに好演しており、なかでもケイト・ブランシェットの演技はやはりすばらしい。彼女にだけ期待して映画館におもむく人も多いだろうが、それも実力からすればむべなるかな、というところだ。
  • 映像はシュールだが、それも60年代のディランを考えるに、妥当なものだとおもう。それはドラッグの影響だけではない。彼の精神がもたらした作品からもそれは読み取れる。ただ、私はむしろリアルに撮ったほうが面白かったとおもう。なぜといって、彼の内面をおしはかることの困難は、現実と超現実との乖離にひとつの理由があるのだから。