道具

「道具自体は悪ではなく、使う人が悪なのだ」。
問題意識自体が間違っていると思う。たとえばある道具を使って犯罪が起きたとすると、もちろんその道具を使った人間が悪いことはその通りだとしても、ではどのようにしてそれを抑止するのか。道徳・倫理という回答もあれば、法という回答もあり、そして道具の使用の制限という回答も当然あるだろう。
つまり、道具が悪いかどうかという話ではなくて、その道具を使っていかなるリスクとリターンがあるかという話であるべきで、ある道具を使う利便は確実にあるけれど、それに対する危険が看過できないならば、対処すべき問題である、ということだろう。その手段として道具そのものの規制はありうる。
話をズラしているようだけれど、そうではなくて、道具を規制しようとする人と道具を擁護しようとする人とには、基本的な前提の違いがあるかもしれませんよ、という話。前者は抑止の方法という前提に立っていたとして、後者は悪者探しという前提にたって話をしているとすると、当たり前ですが、話がかみ合いません。