鉄欠乏性貧血と嚥下障害

食道ウェブ(プランマー‐ヴィンソン症候群、鉄欠乏性嚥下困難)とは、食道上部3分の1の内側表層(粘膜)にできる薄い膜です。

食道ウェブはまれにしか起こりませんが、最もよくみられるのは重度の鉄欠乏性貧血が放置されていた人です。貧血がどのようにウェブ形成を引き起こすのかはわかっていません。食道上部にウェブがあると、固形物が飲みこみづらくなります。透視(バリウムを飲みこんでその動きをX線で観察する検査法)をするのが最適の診断法です。

普通は、鉄欠乏が解消されるとウェブも消失します。鉄欠乏の治療で改善されない場合は、拡張器か内視鏡でウェブを破壊します。

つまり、鉄欠乏性貧血により嚥下障害は生じうるということ。鉄欠乏性貧血→食道ウェブ形成→嚥下障害。また、鉄欠乏性貧血の合併症であるプランマー・ヴィンソン症候群とは、

舌炎、口角炎、嚥下障害を三徴とする症候群。
粘膜細胞も細胞代謝に鉄を要するため、引き起こされます。
食べ物が飲み込みにくかったり、のどがつかえたりし、また、その際に痛みを伴うことがあります