結論として一言でまとめるのは困難だけれど、ひとつだけ思うのは、世の高い評価とは逆に、詰め込みすぎだと思った。もちろん、後の展開の思惑もあるだろうし、そうせざるをえなかったのだろうと思う。けれども、この『序』だけを観れば、「旧世紀版」エヴァが持っていた心理劇の様相は、「新世紀版」においては（『序』においては）回収されるための伏線に過ぎなくなってしまったと僕は思う。また、それこそ庵野秀明監督が目指す「エンターテインメント」なんだろう。僕は、それはそれで「あり」だということを認める。認めながらも、残念だと思ってしまうのは、僕が、ただ昔にしがみついているだけなのかもしれない。
