大乗仏教について――密教2(顕教との峻別)

日本仏教史―思想史としてのアプローチ (新潮文庫)
PP.109-110

密教の絶対者大日如来は永遠の宇宙的実体であり、それまでの仏教の仏が究極的には空に帰するのと根本的に異なっている。瞑想のなかで自我がこの宇宙的な大日如来と一体化することにより、自我も絶対性を獲得できるというのである。