エンジェル

フランソワ・オゾン監督作品『エンジェ

  • フランソワ・オゾンの『エンジェル』を観に行ってきた。オゾン本人が述べているように、古き良きハリウッドへのオマージュは随所にみてとれたし、物語性も十分だった。僕はエンジェル・デヴェレル役のロモーラ・ガライの美しさをとらえた映像の確信犯的(文字どおりに、あるいは誤用の意味どおりでもいいけれど)な構成がすばらしいと思った。オゾンが作るうえで、これ以上のものがありうるだろうか、とすら思ったほどだ。ただ、合成技術まで「オマージュ」だった点は、「あまりにも」という感じがして、苦笑してしまったが、とにもかくにも美しいのだから押し黙るしかない。相変わらずシネフィルが好みそうだが、普通に映画を好きな人が観てもなんら問題はないし、むろん何も知らないで観るのも(当然だが)問題ない。