グールドのモーツァルト

モーツァルト:ピアノソナタ集
今更この問題作についてあれこれと言うつもりはないし、そもそも僕にそんな力量はないのだけれど、マジメくさった顔つきでこの作品を語りたくないとだけは思う。
ほんのちょっとの悪意というものは、とても面白いものだ。だから僕は笑ってこれを聴いている。そして、悪意だったはずのものが、思わぬところで素晴らしい音を響かせることだってある。それはそれで、また別に味わえばいい。つまりはそういう作品だと思う。誰かに倣って褒めることなどしなくてもいいし、逆に貶すこともしなくていいはずだ。