断片

  • ドライからウェットへ、その二極しか本当にないのか、と、ある一連の騒動を眺めながら思っていた。今さら80年代的浅田彰的「シラケつつノリ、ノリつつシラケること」の実践を呼びかけるのでもなく、単純さや純真さに甘んじるのでもなく、ドライとウェットというパラダイムからの脱却は、どういったかたちで可能なのか。
  • もう少し具体的にいうと、たとえばブログで、他人の人生についてなにか意見を述べる行為がある。しかし、一昔前のウェブはもう少し複雑だった。ドライさを装って嘲笑しあい、しかしそれ自体としてはウェットなことだった。段々漂白されて、お行儀の良い「考え」を述べる場所がウェブになったのは、ここ二三年のことだと思う。というか、これが00年代なんだという感じが僕はする。
  • ああ、そうだ。もう一つあったか。今やほとんど死語になった「ROM」とか「ヲチ」とかの存在。これって90年代的だよなあ、と思うんですけれど。